【 試 験 目 的 】
近年では引張方向(ボルト軸方向)の強度に関する問い合わせが増えている。既にG型単体での引張強度に関しては、G型技術資料に、「当社が定めるせん断方向(ボルト軸直角方向)作用力から算定した許容耐力同等とすることが可能」と謳っている。 しかし、上記はあくまで単体の強度であり、実体を組み立てた場合の接合部強度ではない。そのため、ある一定のH型鋼にて接合部の強度を確認するために「G型金具によるH形鋼締結部のボルト軸方向引張試験」を実施し、実体組立における引張方向(ボルト軸方向)荷重性能を確認する。
【 試 験 条 件 】
項 目 | 内 容 |
試験実施日 | 2020.09.09 |
供 試 体 | G型4個留めを1セットとし、3セット準備 |
試 験 機 | 200kN万能試験機 |
締付トルク | 300N・m |
計測条件等 | 引張荷重を加え終局した荷重を読み取る。また、その終局状態を観察する。 |
試験鋼材片 | SS400材(黒皮表面) H200×200×12×8 |
【 試 験 方 法 】
G型に規定される使用方法と作用荷重を再現した組立載荷試験を行ない、下記項目を調べる。
・G型に規定終局荷重を調べる。
・締結ボルトと受座の形状変化及び圧痕等を観察する。
【 試 験 結 果 】
3体全ての試験体は、荷重130kNを超えた辺りからH形鋼フランジの変形が発現。そのまま載荷続行により、428~456kNで終局。
終局はボルト先端の欠けやボルト軸折れにて、荷重が低下した時点とした。
試験開始前
荷重130kNでは、ほとんど変化は見られなかった。
荷重428kNにて終局。H形鋼の両フランジが大きく変形した。